「月山寺」は、12世紀、平安時代初期に創建されたお寺。渦巻き状に砂紋が描かれた美しい庭園があり、ことに11月中旬ごろの紅葉の季節の風景は圧巻です。
その月山寺の仏像・仏画・工芸品・古文書などの寺宝や美術品、当地岩瀬町出身の画家・榎戸庄衛の作品を展示しているのが、1983年に完成した「月山寺美術館」です。
注目は、国の重要文化財に指定されている「弁慶の網代笈(あじろおい)」。網代笈というのは、諸国を巡礼する僧や修験者が、本尊や仏具、経典、衣服、食器などを入れて背負う箱のことで、三脚付き、三段に区切られた各段に観音開きの扉がついているのが特徴。そう、歌舞伎の「勧進帳」に登場する武蔵坊弁慶が背中に背負っているアレですね。この笈は源義経のものであるという伝承が「新編常陸国誌」にあり、背中にあたるところに「武蔵坊弁慶」の墨書銘がかすかに残っています。
この他、「蓬莱山文呉須大皿」「中将姫蓮糸三尊種子曼荼羅」「薬師如来坐像」など県指定文化財12点も見逃せません。
【住所 桜川市西小塙1677 美術館の開館時間 10:00~17:00 月曜休館】