山桜、雛人形、情緒ある町並み
古き良き日本を楽しめる桜川市。重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「真壁の町並み」や、6世紀に開かれた「雨引山楽法寺」では放し飼いの孔雀に出逢えます。また、11世紀に創建された「五所駒瀧神社」、あの武蔵坊弁慶のものとされる国の重要文化財「弁慶の網代笈」や、見ごたえのある歴史的曼陀羅など、他では見ることのできない貴重な品々が展示されている「月山寺美術館」など、魅力的な名所・旧跡も多く残っています。
茨城県 桜川市
桜川市
月山寺
桜川市は、室町時代に幽玄能を大成した世阿弥(ぜあみ)作の謡曲「桜川」の舞台ともなった岩瀬町、400年前の町割りや伝統的建築物を多く残す・まちごとミュージアムの真壁町、豊かな自然に恵まれたまほろばの里・大和村が合併し、2005年に誕生した新しい市です。 しかし、その歴史は古く、国の史跡に指定されている戦国時代の平城「真壁城跡」、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「真壁の町並み」があり、6世紀に開かれた「雨引山楽法寺」では放し飼いの孔雀に出逢えます。また、11世紀に創建された「五所駒瀧神社」、弁慶の伝承もある国の重要文化財「網代笈」や、木村武山の絵画「飛天」など、他では見ることのできない貴重な品々が展示されている「月山寺美術館」など、魅力的な名所・旧跡も多く残っています。 また、古から奈良の吉野山と並び称された山桜の里でもあり、春のサクラの季節には見事な眺望が広がります。櫻川磯部稲村神社の参道及びその周辺は、国の名勝に指定され、名勝指定地内のヤマザクラは「桜川のサクラ」として国の天然記念物に指定されています。北関東自動車道で桜川を通るときには、満開のヤマザクラを目にすることでしょう。 この他、2月4日~3月3日は、真壁の町並みにたくさんのお雛様の飾られる「真壁のひなまつり」、4月の第二日曜日には雨引山楽法寺の奇祭「マダラ鬼神祭」、7月23~26日は400年の歴史を持つ「真壁祇園祭」。そこには日本でも他ではなかなか見ることのない、カンカン帽にはかま姿の男性を始め、まるで宮崎駿氏のアニメのようなロマン漂う、1度は見たい祭やイベントも盛りだくさんです。 特産品としては、「紅小玉スイカ」や幻のぶどうとも呼ばれる蜂蜜のように甘いぶどう「オリンピア」、10月下旬から12月中旬にかけてオープンするみかん園でも人気の「酒寄みかん」、品質日本一ともいわれる「常陸秋そば」。市内には和菓子屋が多く、街歩きをしながら和菓子めぐりが楽しめるのも魅力です。 真壁石と呼ばれる御影石の産地としても知られ、江戸時代末期から続く「真壁石灯篭」は、国の伝統工芸品に指定されています。また、お寺の梵鐘を造る「小田部鋳造」は800年の歴史を持つ老舗。最近は、釣鐘型の風鈴が人気です。 四季折々の自然を愛で、各種観光スポットや祭・イベント観光に、何度でも訪れたい街です。
電車で行こうとするとなかなか交通の便が良いとは言えない桜川市。でも、だからこそ、残っている豊かな自然、温かな人情。東京では決して感じられない、昔ながらの日本情緒を楽しむことができるのです。都心からの直行高速バスもありますが、本数は少ないので、ここは、不便で時間のかかる行程を、むしろ楽しむ旅にしてみてはいかがでしょう。 成田空港や羽田空港からは、つくばセンター(バスターミナル)までの高速バスを使うのがおすすめ。成田からは1時間10分、羽田からは1時間40分で、つくばセンターに着きます。つくばセンターでは3番乗り場から「つくバス北部シャトル」に乗車して「筑波山口」下車。そこから、桜川市内まで約10㎞。路線バスやタクシーを使って25分です。 電車の場合、東京方面からは、秋葉原駅から「つくばエクスプレス」を使うのがおすすめ。約45分で終点の「つくば駅」着。駅前のつくばセンターからは、成田や羽田の行程と同じです。 車の場合は、北関東自動車道を使って「桜川筑西IC」で降りるか、常磐自動車道なら「土浦北IC」で降りて市内目的地まで行きましょう。途中の高速道路からは、サクラの季節には一面の山桜を眺めることもできますよ。 JR常磐線(上野東京ライン)土浦駅にはレンタサイクルもあるので、それを利用してサイクリングコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を利用するのもおすすめ。春には満開の桜や新緑、秋には紅葉が堪能でき、美しい山並みと四季折々の農村風景を楽しみながら走れます。