日本三名城のひとつとして名高い熊本城は慶長2年(1607年)、加藤清正によって築城されました。現在は2016年に起きた地震で被害を受けた個所を修復中です。しかし、当時創られた箇所「武者返し」は、地震にも耐えそのままの姿を残しています。加藤清正の土木技術が現代の私達を改めて驚かせました。「武者返し」とは、忍者や敵が城壁に上がってこられないように上部に行くに従って垂直近くになることで有名な城壁です。緻密に計算されて組まれた石垣は美しく凛としています。熊本城全体の石垣は973面、そのうち、築石が崩落したのは後に修復された箇所229面でした。石垣の石は特別史跡の文化財石材であるため、崩れる前の姿に戻すことを重視し、一つ一つ写真を撮影し、それぞれの石材に番号をつけ、一石ごとに測量で座標を抑えたあとではじめてに回収作業をしたのです。万全の安全対策を施し、収集作業が完了したのが7か月後でした。この時に石垣の一つに菩薩像が彫ってあったものも見つり、それは建築時の職人が未来の修復時に携わるであろう職人に向けて送るメッセージでもあったのです。
現在、お城の中は修復工事で見ることは出来ませんが、お城の周りにある「桜の馬場 城彩苑」では、お城を見上げ日本情緒を楽しみながら食事やショッピングが楽しめる場所。VRを使ってお城の中を体感することもできる。