第32回東京国際映画祭(2019)
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今年も映画の季節がやってきた。
六本木を中心とした東京で開催される「東京国際映画祭(TIFF)」は今回で32回
会場:六本木ヒルズ TOHOシネマズ六本木・東京ミッドタウン日比谷・EXシアター六本木(港区)、日比谷ステップ広場などで開催。
OVERVIEW
今年の審査委員長は章子怡「チャン ツィイー」(Zhāng Zǐyí)
チャン ツィイは、中国出身の女優。彼女の名を世界に知らしめたのは、今月、ハリウッド映画の話題作「ジェミニマン」の公開でウィルスミスと一緒に来日し、映画祭が開催されている六本木ヒルズの同アリーナで、レッドカーペットを歩いていたアン・リー監督のアカデミー受賞作品「グリーン ディスティニー」のヒロインであったことで一躍世界が彼女に注目した。著者個人的にはデビュー作である張芸謀チャン・イーモウ監督の中国映画「初恋のきた道」(我的父親母親・我的父亲母亲・The Road Home)の初々しい彼女が印象深くお勧め。一途な(一歩間違うとストカー的な)初恋を描いた作品なのだが。とにかくかわいい。今回の映画祭では、その作品も特別上映される。29日19時から本人も登壇。(場所はTOHOシネマズ六本木 SC3)
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さらに話題の映画もいち早く見ることができるのも映画祭の醍醐味
特別上映
などの、なかなかお目にかかれない世界の映画を見ることができるのも映画祭の楽しみ方の一つ。
オープニング作品は「男はつらいよ お帰り 寅さん」
日本国民が愛してやまない映画シリーズ「寅さん」。
主役の渥美清がなく亡くなってもまだなお、根強い人気を誇る作品。50年に及ぶその作品の集大成の物語が制作され、日本では今年12月に公開される。監督は日本を代表する映画監督 山田洋次監督(日本映画監督協会会員)。日本が活気にあふれていた一昔前(昭和1926年~1989年・現在は令和2019年~)の時代。今の日本を形成した日本人の生活や人とのかかわり方を知るには、このシリーズを見るのがはやい。「人情・NINJYO」と呼ばれる、日本独特の絆が、この映画では温かく描かれている。
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他にも「shall weダンス」で知られる周防正行監督の作品「カツベン!」
100年前、日本の映画界はモノクロ映画に弁士がライブで話をつけるという、独特の文化であった。その時代の話を描いた作品。
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他にも、世界の話題作が多数上映される。
『ジャパニーズ・アニメーション』部門
世界が注目する日本のアニメ/特撮の映像文化が国際的に評価されるきっかけになった作品を紹介する『ジャパニーズ・アニメーション』部門では、「天気の子」
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話題の最新作だけでなく、世界が日本のアニメに注目し始めたころの「AKIRA」「白蛇伝 4K デジタルリマスター版」などの旧作までセレクト、他にも特撮ものの「ウルトラQ」など4作を上映。
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六本木ヒルズアリーナや日比谷会場などでは、期間中無料上映も開催
日比谷会場(ミッドタウン日比谷・ステップ広場)での屋外上映は入場無料。オープニング上映は「この世界の片隅に」で、他にも「ラ・ラ・ランド」「ボヘミアン・ラプソディ」などが上映される。
また、六本木ヒルズのアリーナのスケジュールも要チェック。例えば、11月4日には 「カメラを止めるな」が無料上映
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低予算映画が世界で驚くヒットとなり、話題を呼んだ「カメラを止めるな」日本映画監督協会(http://www.dgj.or.jp/english/)が選出する「新人監督賞」の受賞作品として無料上映される。17時から上田慎一郎監督と崔洋一監督(日本映画監督協会理事長)とのトークセッションもあり、混雑が予想される為、早めに行っておくことをお勧めする。
その日本映画監督協会会員でもあり、第1回新人監督賞受賞者でもある大林宜彦監督の特集上映も開催される。
映像の魔術師 大林宣彦
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「さびしんぼう」「野ゆき山ゆき海べゆき」「異人たちとの夏」から、「花筐/HANAGATAMI」、最新作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」まで全5作品。
今回上映されない「転校生」や「時をかける少女」も是非見てもらいたい作品である。
また、ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語 [完全版] ~夫婦で歩んだ60年の映画作り~も上映される。
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Japan Now
Japan-search.jpの番組「AMIYS TAKE」(URL)に出演している、安藤紘平監督がプロデュースしている、現在の日本映画事情が知れる『Japan Now』部門では、話題となっている「WE ARE LITTLE ZOMBIES」や日本で公開したばかりの「蜜蜂と遠雷」。「宮本から君へ」「引っ越し大名!」「37セカンズ」など
日本映画クラシックス
部門では、世界が知る黒沢明監督の「羅生門」や、「赤線地帯」の4Kデジタル修復版などを上映。
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